こんにちは、電通ダイレクトで編集長をやっております桜井です。
今回の記事は一人のマーケッターとして、今回の東京オリンピックで見た選手の行動とマーケティングの「勝つ」ということに非常に強いつながりを感じたので伝えておきたいと思った次第でございます。
今、自社のマーケティングに携わる人はもちろん、私と同様に広告代理店で働いている方々にも参考になる視点かと思います。
それでは、是非最後までお読みください!
【目次】
今回のオリンピックで目立った選手同士の称賛
同じ競技で高めあう仲間だということ
ところで、マーケティングでの「競合」
ビジネスで「勝つ」とは
最後に
今回のオリンピックで目立った選手同士の称賛
今回のオリンピックでは、選手同士が称えあうという光景が多かったと報じられています。勝ち負けにかかわらず、力を出し切った選手同士の笑顔は見ていて本当に心を打たれますね。
報道の多さで有名なところだと先日、BBCで報じられた「東京五輪:今夏の大会で生まれた心温まる10の場面」で選出されていた女子スケートボード日本代表の岡本碧優選手への他選手の肩車がありました。
他にも、
・女子ゴルフのプレーオフ
ニュージーランド代表のリディア・コ選手の相手ショットへの称賛、
惜しいパットに残念がる姿
・男子800m準決勝
最後のコーナーに入る手前付近、アメリカ代表のアイザイア・ジュエット
選手の転倒に巻き込まれたボツワナ代表のニジェル・アモス選手が2人で
同時にゴールを切る姿
・男子走り高跳び
カタール代表のムタズエサ・バルシム選手とイタリア代表のジャンマル
コ・タンベリ選手の「ジャンプオフ」を選択せず、2人の金メダリスト
といった、シーンでも選手同士の称賛が見れました。
同じ競技で高めあう仲間だということ
スポーツにおいて、大会形式である以上、そこには勝ち負けが存在します。
ですが、それ以前にまずは同じスポーツを愛した仲間であるということが選手たちの価値観にあるのだと私は考えます。
選手のインタビューの中で出てきた、「もっとこのスポーツのすばらしさを伝えたい」という発言からも分かります。
同じ目的を持った同士であるからこそ、相手のプレーへ敬意を払い、良いプレーに対する喜びと、失敗したプレーへの悲しみが共存するのでしょう。
ところで、マーケティングでの「競合」
さて、ここで話をマーケティングに移らせたいと思います。
マーケティング戦略では「競合」へのリサーチがとられることが多いです。
私自身、クライアント様からベンチマーク企業の動向調査を依頼されることもありますし、提案の中で利用した経験もあります。
会話の中で、競合に勝つ手段は何か?どうやったら競合他社から顧客を奪取できるのか?なんて議論もしていました。
さらに、有名なフレームワークとしても3Cは有名です。
その一つは説明するまでもなくCompetitorです。
この「競合」の捉え方を再定義することがマーケティングにおいてこれから必要なことではないかと私は考えます。
ビジネスで「勝つ」とは
ビジネスにおいて「勝つ」ことは必ずしも、ある特定の相手よりも勝ることなのでしょうか?
ここで、恥ずかしながら一つの提言があります。
市場を広げること、創ることにこそ価値が生まれる。
競合に勝つための調査ではなく、市場全体と自社の立ち位置を正確に知るための調査が大事です。
自分が今どこで売っているのか?誰に売っているのか?何を売っているのか?
それを知ることと、新しい提供価値を創り出すことに時間を注ぎましょう。
競合他社も同一市場の仲間です。必要なのは「競争」ではなく「共創」かもしれません。
最後に
オリンピックを見ていて、選手同士の称賛する姿と、これから必要とされるビジネスモデルがすごくリンクしていたので記事にしました。
「これから」という表現を使いましたが、相手を称えること、争わない道を見つけること自体は太古の時代から伝えられていることでもあります。
孫武の兵法書「孫氏」では全13編のうち、6編までは戦わないで済む方法を考えましょうというものです。(半分は戦うな!)
敵を知り、己を知れば百戦危うからず
「危うからず」という言葉は決して勝つということではないですよね。
昔からWin-Winの思想は重宝されていたということです。
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